Contents
■ 姿勢が悪い=痛みの原因? それは半分正解で、半分まちがいです

「姿勢が悪いから腰が痛い」「猫背だから肩こりになる」
そんな説明を受けたことがある方も多いと思います。
たしかに、姿勢の崩れは筋肉や関節への負担を増やす要因になります。
しかし――
姿勢が悪くても痛くない人もいれば、
姿勢が良くても痛い人もいる。
これは、臨床で毎日のように見られる事実です。
つまり、姿勢そのものが痛みの原因ではないということ。
姿勢は“結果”であり、その背景には体の使い方や脳の制御のクセが隠れています。
■ 痛みの本当の原因は「姿勢をつくる力」の低下

姿勢を支えているのは骨格ではなく、筋肉・関節・神経の“連携”です。
一見「背骨が曲がっている」ように見えても、
実際には「支える筋肉が働いていない」ことが多くあります。
つまり、姿勢が崩れているのではなく、
“姿勢を保つ能力”が落ちている。
体はバランスを取るために無理をして、
結果として特定の筋膜や関節に負担が集中します。
これが、慢性的な痛みや動かしにくさの本当の原因です。
■ 姿勢を“直す”より、姿勢を“生み出す”ことが大切

多くの人は「姿勢を正そう」と意識的に胸を張ったり、背すじを伸ばしたりします。
ですが、それは一時的な**“形の矯正”**にすぎません。
本来の姿勢は、意識ではなく**無意識(脳)**によってコントロールされています。
だから本当に大切なのは「正しい姿勢の形」ではなく、
「体が自然に正しい姿勢を取れる状態」
つまり、“姿勢を生み出す身体”をつくることです。
■ 当院のアプローチ:姿勢を再教育する施術

つぐみ整骨院整体院では、
痛みのある部分を単にほぐすのではなく、
姿勢を生み出す機能そのものを再教育する施術を行っています。
🔹 施術の流れ
- 姿勢・動作の評価 姿勢写真や動作テストから、どの関節・筋膜が制限しているかを分析。
- 筋膜・関節の調整 制限を解放し、正しい運動連鎖を回復。
- 姿勢再教育エクササイズ “正しい使い方”を体に覚えさせ、再発を防ぐ。
- セルフケアの指導 日常生活での動作・姿勢維持をサポート。
■ 「姿勢が悪い」と言われた人へ伝えたいこと

姿勢は、単に「良い」「悪い」で判断できるものではありません。
生活習慣・仕事・ケガ・思考のクセなど、
その人の生き方の積み重ねによって姿勢は作られます。
だからこそ、姿勢を整えることは“自分の体と向き合うこと”。
当院では「正しい姿勢」にこだわるのではなく、
**“自分らしく動ける姿勢”**を取り戻すサポートを行っています。
■ 最後に:姿勢を見直すことは「体との関係を見直すこと」

姿勢は、体が今どんな状態かを映し出す“結果”です。
もし痛みや違和感があるなら、それは体からのサイン。
そのサインに気づき、“使い方”を整えれば、
体は必ず応えてくれます。
📍群馬県|つぐみ整骨院整体院
姿勢は矯正するものではなく、取り戻すもの。
あなた本来の「動ける体」を一緒に取り戻しましょう。
執筆者

つぐみ整骨院 院長 篠田健太
柔道整復師として10年以上、整骨院(接骨院)、整体院にて修行し独立。
地域の方のみならず日本代表やプロスポーツ選手の治療にあたる。
痛み治療やトレーニングに関して講演を行なっている。
保有資格
柔道整復師国家資格(厚生労働省認定)
プロコーチ(マインドセット社認定)
日本足病学協会
Foot Science International社(ニュージーランド認定)
参考文献
- Lederman, E. (2011). The fall of the postural–structural–biomechanical model in manual and physical therapies: Exemplified by lower back pain. Journal of Bodywork and Movement Therapies, 15(2), 131–138. → 「姿勢と痛みの直接的な相関は存在しない」と結論づけた代表的論文。 (姿勢は“結果”であり、痛みの主因ではないと明言)
- O’Sullivan, P. (2005). Diagnosis and classification of chronic low back pain disorders: Maladaptive movement and motor control impairments as underlying mechanism. Manual Therapy, 10(4), 242–255. → 慢性腰痛の原因は姿勢より「運動制御のエラー(maladaptive movement)」にあると報告。
- Brumagne, S., Janssens, L., Knapen, S., Claeys, K., & Suuden-Johanson, E. (2008). Persons with recurrent low back pain exhibit a rigid postural control strategy. European Spine Journal, 17(9), 1177–1184. → 姿勢の硬直(過剰な制御)が痛みを引き起こす可能性を示唆。
- Hodges, P. W., & Moseley, G. L. (2003). Pain and motor control of the lumbopelvic region: Effect and possible mechanisms. Journal of Electromyography and Kinesiology, 13(4), 361–370. → 痛みと姿勢は神経的制御メカニズムでつながっており、構造的姿勢異常とは独立している。

コメント