姿勢

整体に通っても姿勢が治らない本当の理由

【柔道整復師が解説】つぐみ整骨院整体院(群馬県伊勢崎市)

「整体に行ったその日は背筋が伸びて楽になる。でも数日後にはまた元の姿勢に戻っている…」

この経験をお持ちの方、非常に多いです。そしてこれは決してあなたの意志が弱いからでも、通い方が悪いからでもありません。

実は「姿勢が戻る」のには、構造的な理由があります。この記事では、柔道整復師として日々患者さんと向き合う立場から、その本当の理由を正直にお伝えします。

整体を受けると「その日だけ」改善する理由

整体やマッサージを受けると、筋肉の緊張がほぐれて血行が改善されたり、骨格のズレを矯正します。その結果、身体が軽くなり「姿勢が良くなった」と感じます。これは本物の変化です。

しかし数日後、気づけばまた元の姿勢に戻っています。なぜでしょうか?

答えはシンプルです。整体は一時的に「筋肉の緊張を取る」施術であり、「姿勢を定着させる」施術ではないからです。姿勢が悪い根本的な原因が残ったまま施術を受けても、身体は元の「慣れた状態」に戻ろうとします。

「猫背にならないと姿勢を保てない」という真実

当院に来られる患者さんの多くに共通していることがあります。それは「猫背にならないと、そもそも姿勢を保てない構造になっている」ということです。

つまり、猫背は「姿勢が悪い」のではなく、その方の身体にとって「唯一バランスが取れる状態」になってしまっているのです。

この状態で「背筋を伸ばして!」と言っても、反り腰になったり、身体はすぐに「楽な姿勢=猫背」に戻ります。意識や努力の問題ではなく、構造の問題です。

原因として多いのは、股関節の硬さ、足底の重心のズレ、使えていない体幹の筋肉、これらが組み合わさって「猫背でしかいられない身体」を作っています。

姿勢改善に整体が効かない3つの理由

① 脳がまだ「悪い姿勢」を正常と認識している

長年の姿勢のクセは、脳の中に「正常な姿勢」として記憶されています。整体で筋肉をほぐしても、脳の記憶は書き換えられないため、身体は元の姿勢に戻ります。姿勢を変えるには、脳と神経系への再学習が必要です。

このような脳や脊髄が関与し、目的に応じて筋肉や関節の動きを統制・調整する機能を「モーターコントロール」といいます。

② 使えていない筋肉が放置されたまま

猫背の方の多くは、本来姿勢を支えるべき体幹や臀部の筋肉が上手く使えていません。整体で筋肉をほぐすだけでは、この「使えていない筋肉」の問題は解決されません。

③ 足元の重心のズレが修正されていない

姿勢は「足元から」崩れることは多々あります。足底の重心がズレていると、その上にある骨盤・背骨・首が全て影響を受けます。多くの整体院では足底の重心まで評価しないため、根本原因が見落とされています。

本当に姿勢を変えるために必要なこと

姿勢を根本から変えるには、以下の3つのアプローチが必要です。

1. 客観的なデータで「なぜ崩れているか」を特定する

感覚ではなく、足底圧計や姿勢分析で数値化することで、自分を客観的に見つめて本当の原因を把握できます。

2. 関節の動きを解放して「正しい姿勢を取れる状態」を作る

固まった関節や筋膜の癒着を丁寧にほぐし、正しい姿勢が「取れる状態」にします。これがスタート地点です。

3. 脳と身体に「正しい姿勢の感覚」を再学習させる

書道のなぞり書きのように、正しい姿勢を身体で体感し繰り返すことで、脳に新しいパターンとして定着させます。この「能動的な再学習」なしに、姿勢は変わりません。

まとめ

整体で姿勢が治らない理由を整理すると、整体は「その日の不快感を取る」ためのものであり、姿勢を「定着させる」ためのものではないということです。

姿勢を本当に変えるには、なぜ崩れているかをデータで把握し、正しい姿勢の感覚を脳と身体に再学習させるプロセスが必要です。

「何度整体に行っても姿勢が戻る」とお悩みの方は、ぜひ一度、足底圧と姿勢データで「本当の原因」を確認してみてください。

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参考文献

1. 姿勢制御の運動学習に効果的な感覚フィードバック練習の検討

   日本理学療法士学会誌(2024)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjptf/advpub/0/advpub_JJPTF_2024_S5/_article/-char/ja

2. Motor control exercises and neuroplasticity in non-specific low back pain

   PubMed (PMID: 33992272)

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33992272

3. The role of motor learning and neuroplasticity in musculoskeletal pain disorders

   PubMed (PMID: 20615749)

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20615749

4. Optimal training for postural balance improvement

   PMC (2023)

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10338096

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