I.はじめに
.扁平足とは、足のアーチが平らになり、足の裏全体が完全にまたはほぼ完全に地面に接触している状態です。
扁平足は歩行時や立位時の不快感や痛みの原因となり、また、他の足や脚の問題にもつながる可能性があります。しかし、扁平足に対処し、歩行を改善するための治療法や予防法がありますのでご紹介いたします。
II.偏平足の原因
扁平足は様々な原因がります。主な原因は以下の通りです。
A.遺伝
扁平足は遺伝し、家族内で発生することがあります。骨格も遺伝するので、たとえばお母さんが扁平足なら娘も扁平足になる可能性があります。
B.使いすぎやケガ
使いすぎやケガ足の使い過ぎや怪我は、アーチを弱め、崩れる原因になります。特に臀部の筋群を使わない習慣がある人は扁平足のリスクが高まります。
C.加齢
加齢に伴い、足のアーチが失われ、偏平足になることがあります。これは筋肉が衰えてしまうことが関連としてあるようです。
D.肥満
体重が増えすぎると、足に負担がかかり、偏平足になることがあります。体重がありすぎると筋肉だけでは支えきれずにアーチが潰れてしますようです。強靭な筋肉があれば話は別かもしれませんね。
E.その他の基礎疾患
関節リウマチや神経症状などの特定の疾患も、扁平足の原因となることがあります。
III.偏平足と歩行の症状
A.足、足首、または脚の痛み
偏平足は、歩行中や立っているときに、足、足首、または脚に痛みや不快感をもたらすことがあります。特に足底腱膜炎などが多いようです。これが悪化すると骨にストレスが加わり踵骨棘になるリスクが高まります。
B.長時間歩いたり立ったりすると足が疲れる、または痛む
偏平足は、歩行中や立っているときに、足、足首、または脚に痛みや不快感をもたらすことがあります。ふくらはぎがパンパンになったり、すぐ浮腫んでしまう場合はもしかしたら扁平足が関連しているかもしれません。
C.足や足首の腫れ
扁平足は、足や足首の腫れを引き起こす可能性があります。アーチが潰れることで筋肉や靭帯、脂肪体、骨などの組織が直接負担が増加し炎症が強くなる可能性があります
D.長時間の歩行や立位が困難
扁平足の人は、長時間歩いたり、立ったりすることが困難な場合があります。筋肉の疲労が早い傾向にあるようです。
E.立っているときや歩いているときにアーチが崩れる
扁平足は、立ったり歩いたりするときにアーチが崩れ、症状をさらに悪化させることがあります。
IV.偏平足の検査
A.身体検査
姿勢や筋肉の状態(硬さや柔軟性)を把握することは、扁平足との関連を調べることに適しています。
B.X線検査、その他の画像検査
X線検査やその他の画像検査は、偏平足の重症度を判定するのに役立ちます。
C.足部または歩行分析
足や歩行の分析により、偏平足の具体的な原因や、それが歩行にどのような影響を及ぼすかを判断することができます。当院でも歩行分析は行なっております。やはり扁平足の原因は歩容に出ることが多い印象です。
V.偏平足に対する治療法
A.ストレッチと強化運動
ストレッチと強化運動は、足と脚の強さと柔軟性を向上させ、偏平足の症状を軽減させるのに役立ちます。代表的なストレッチは長座体前屈、運動はカーフレイズなどがあります。
B.アーチサポートまたは装具
アーチサポートや装具は、アーチをサポートし、歩行時や立位時の痛みや不快感を軽減するのに役立ちます。具体的にはインソールなどがあげられます。
当院では「フォームソティックス」という世界56カ国の医療機関で処方される矯正用インソールを採用しています。
C.適切な靴を履くこと
アーチサポートと衝撃吸収の良い靴を履くことは、偏平足の症状を軽減するのに役立ちます。さらに足首のズレが起きにくい靴を履くことによって扁平足の予防にもなるでしょう。
D.施術や運動療法
施術や運動療法は足腰の強さと柔軟性を向上させ、偏平足の症状を軽減させるのに役立ちます。当院では扁平足の原因となる筋の硬さを緩和して、正常に働いていない筋肉に対して運動療法を行い扁平足を改善していきます。
E.注射療法
コルチゾン注射などの注射療法は、偏平足による痛みや炎症を軽減するのに役立ちます。
F.手術(重症の場合)
重症の場合、扁平足を矯正し、歩行を改善するために手術が必要になることがあります。
Ⅵ.偏平足と歩行障害の予防
A.健康的な体重を維持する
健康的な体重を維持することは、足への負担を軽減し、偏平足の発生を防ぐのに役立ちます。
B.身体活動に適した靴を履くこと
運動するのに適した靴を履くことアーチサポートと衝撃吸収の良い靴を履くことは、偏平足の予防と歩行の改善に役立ちます。具体的にはサイズや踵のパーツも重要になります。
当院では靴についての相談も受けています。お気軽にご相談ください。
C.足と脚の筋肉のストレッチと強化
ストレッチと強化運動は、足と脚の強さと柔軟性を向上させ、偏平足の症状を軽減させるのに役立ちます。代表的なストレッチと運動は以下に記載。
D.長時間立ったり歩いたりするときは、定期的に休憩をとる。
扁平足の人は下肢への疲労が蓄積しやすいとされています。なので長時間の立位や歩行は避けて休憩をとりましょう。
VII.結論
A.偏平足とウォーキングのまとめ
ウォーキングは体に良いことです。歩ける状態であるならよく歩いて欲しいものです。しかし、扁平足が存在したまま歩くと、足や腰、姿勢の変化など弊害が生じる可能性もあります。
B.適切な治療と予防の重要性
扁平足は改善する可能性の高い状態です。適度なストレッチやエクササイズ、矯正用インソールを使って訓練をする。選択肢はありますのであなたに合った方法で扁平足を改善し健康な体づくりができると良いですね。
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