「股関節が詰まる感じで夜も眠れなかった…」そんな患者さんが施術を受け、股関節の痛みが消えてぐっすり眠れるようになりました。
ところが、今度は歩いていると膝の外側に痛みが出るように…。
これは珍しいケースではなく、特に肥満ぎみで内股体型の方に起こりやすい現象です。今回は実際の症例をもとに、その原因と対応法を解説します。
Contents
症例の経過
- 主訴:股関節痛(FAIの疑い)、夜間痛で眠れない
- 施術:股関節の可動域を改善する施術
- 結果:股関節痛が改善し、夜も眠れるようになった
- 新症状:歩行時に膝外側の痛みが出現
- 検査:マックマレー陰性、外側半月板の圧痛なし
- 体型特徴:肥満ぎみで内股傾向
膝外側に痛みが出た理由
① 股関節の動きが改善 → 荷重線が変化

股関節の可動域が広がると、歩き方や荷重のかかり方が変わります。今まで動いていなかった部分に力がかかり、膝外側に新しいストレスが生じやすくなります。
② 内股姿勢が膝外側にストレスを集中

内股姿勢(knee-in)は、膝が内側に倒れやすく、腸脛靭帯や外側広筋に負担をかけます。肥満によって体重負荷が増すと、膝外側痛が出やすくなります。
③ 半月板ではなく筋・靭帯性の痛み

検査で半月板に異常はなく、腸脛靭帯や外側支持組織が原因の痛みと考えられます。
当院での対応
- 外側組織のリリース:腸脛靭帯や大腿筋膜張筋を緩める
- 股関節外旋筋・中殿筋のトレーニング:膝が内側に入らないようにサポート
- 内転筋強化:クッションを挟んで膝を押す簡単な運動
- 歩行指導:膝とつま先を正面にそろえて歩く練習
- 体重管理:減量により膝の負担を軽減
実際の中殿筋トレーニングの様子はこちらへ→

患者さんへのメッセージ
「股関節の痛みは取れたのに、膝が痛くなった…」と不安に思う方も多いですが、それは体の使い方が変わり、調整している途中段階かもしれません。
膝と股関節は強く連動しているため、治療後は正しい動きを体に覚えさせることが大切です。肥満や内股体型の方は特に、膝外側に負担がかかりやすいので、施術だけでなく筋力トレーニングや歩行練習を並行すると効果的です。
まとめ
- 股関節治療後に膝外側痛が出るのはよくある現象
- 肥満や内股体型では膝外側にストレスが集中しやすい
- 施術+筋トレ+歩行指導+体重管理が改善の鍵
「治療したら別の場所が痛くなった」という場合も、それは回復の過程にあるサイン。正しいアプローチをすれば改善しますので、同じようなお悩みがあればお気軽にご相談ください。
執筆者

つぐみ整骨院 院長 篠田健太
柔道整復師として10年以上、整骨院(接骨院)、整体院にて修行し独立。
地域の方のみならず日本代表やプロスポーツ選手の治療にあたる。
痛み治療やトレーニングに関して講演を行なっている。
保有資格
柔道整復師国家資格(厚生労働省認定)
プロコーチ(マインドセット社認定)
日本足病学協会
Foot Science International社(ニュージーランド認定)

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