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急に強い腰痛で動けなくなった患者さん
今回ご紹介するのは、40代で介護職の女性「自宅でトレーニングをしてから、じわじわと腰に痛みが出てきて、ついに強い痛みで動けなくなった」という患者さんの症例です。
いわゆる“ギックリ腰”と呼ばれる状態で、多くの方が一度は経験すると言われています。突然の強い痛みに襲われると、「このまま動けなくなるのではないか」と不安になりますよね。
ギックリ腰の症状と検査結果
来院されたときの状態を詳しく見てみましょう。

- 安静にしていても腰に痛みがある
- 動こうとするとさらに強い痛みが出る
さらに、専門的な検査を行いました。
- **SLRテスト(脚を持ち上げて神経の状態を確認する検査)**では、
右足を45度持ち上げると腰に痛み、左足を30度持ち上げると腰からお尻にかけて痛みが出ました。 - 筋力検査では、足の指を持ち上げる力が左右で差があり、特に左足で弱さが見られました。
これらの結果から、「ただの筋肉の炎症によるギックリ腰」というよりも、神経に影響が出ている軽度の椎間板ヘルニアの可能性があると考えました。
ギックリ腰とヘルニアの違いは?
一般的なギックリ腰(筋筋膜性腰痛)の場合は、筋肉や筋膜の炎症による強い痛みが主な原因です。一方で、椎間板ヘルニアでは神経が圧迫されるため、腰痛だけでなく足のしびれや筋力低下が出ることがあります。
今回の患者さんでは「筋力の低下」が確認できたため、軽度のヘルニアの関与が疑われました。
治療の内容|ハイボルト療法で炎症と神経の痛みを抑える

まずは強い痛みを和らげることが最優先です。そのために当院ではハイボルト療法という特殊な医療機器を使用しました。
- 神経の過敏な反応を落ち着かせる
- 炎症を抑える
といった効果が期待でき、急な腰痛の際にとても有効です。
実際、この患者さんも施術後には「動きやすさが少し戻った」との変化を感じていただけました。
今後の見通しと生活の工夫
ギックリ腰は放っておいても一時的に良くなることがありますが、再発しやすいという特徴があります。特に今回は神経の影響も疑われるため、数回の治療を継続しながら経過を見ていくことが大切です。
また、今回の腰痛はトレーニング後に起こったため、
- 運動フォームの乱れ
- 筋肉の使い方の偏り
- 姿勢の崩れ
が関わっている可能性があります。
そのため、再発予防には体幹を安定させるトレーニングや正しい姿勢の指導が欠かせません。
ギックリ腰のセルフケア|痛いときでもできるドローイン
「痛いときに運動なんてできないのでは?」と思う方も多いですが、腰に負担をかけずにできるセルフケアがあります。
それが ドローイン です。
仰向けでのやり方

- 仰向けに寝転び、両膝を軽く曲げます。
- おへその下あたりを意識して、軽くお腹をへこませるように息を吐きます。
- 腰や背中には力を入れず、お腹の奥の筋肉(インナーマッスル)を意識するのがポイントです。
- 5〜10秒ほどキープして、ゆっくり呼吸を繰り返します。
横向きでのやり方

👉 仰向けになるのが辛い場合は、横向きで行っても大丈夫です。体勢を工夫することで痛みを避けながら安心して取り組めます。
この運動は腰を大きく動かさずにできるため、痛みがあるときでも比較的安全に行えます。腹部の深い筋肉が働くことで腰が支えられ、回復を助ける効果が期待できます。
まとめ
「ギックリ腰=ただの腰の捻挫」と思われがちですが、実際には神経が関わるケースもあります。今回の患者さんのように、早めに検査と適切な治療を受けることで、痛みを早期に軽減し、再発を防ぐことができます。
また、無理のない範囲でのセルフケア(ドローイン)は、安心して取り組める回復のサポートになります。腰の痛みで不安を感じたときは、ぜひ専門家にご相談ください。
執筆者

つぐみ整骨院 院長 篠田健太
柔道整復師として10年以上、整骨院(接骨院)、整体院にて修行し独立。
地域の方や日本代表レベルのスポーツ選手の治療にあたる。
痛み治療や身体動作に関するトレーニングの講演を行なっている。
保有資格
柔道整復師国家資格(厚生労働省認定)
プロコーチ(マインドセット社認定)
日本足病学協会

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